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退屈なひとの冒険
 
群集に語りかける彼は、あくまでも穏やかで優しく
その声は、静けさのなかによく響くものだった
 
  ・・すると神様が、わたしのなすべきことを教えてくださったんです
  どうでしょう、わたしは神様のおっしゃることに従うべきなんでしょうかね? 

もちろんですとも!
彼を取り囲む群衆のひとりが、静寂を破って叫ぶ
もちろん、喜んで受け容れるべきです!
たとえそれが地獄の責め苦であったとしても
それが神の御心であるならば!
にわかに熱狂する群衆の声、声、声
反響するどよめきが、恐ろしい音量となっていって  
 
  では、もし神様が、君たちの目の前に現われて、こうおっしゃったとしたら?
  この先ずっと、この世界で幸福に生きることを命じる
  もし神様がこうおっしゃったとしたら、そのとき君たちはどうしますか?

あくまでも優しく、どこまでもおだやかに語りかける声
しかしその声に群衆は応えることができなかった
やがてざわめきも止んでしまって、あたりを沈黙が支配する
  
  ・・・ええっとね、つまりはこういうことなのです
  わたしは、自分が好まない道を歩むまいと思うのですよ
  わたしが学んだことは、まさにこのことなのです
  だから、どうか君たちも、自分の好きなように生きてください
  そのためにもわたしは、どこかに行ってしまおうと決めたのです

少しはにかみながらそう言うと、彼は、すぐに歩き出していった
しんと静まり返った群衆のなかを通り抜けて
彼の大好きなエンジンオイルの匂いがする方へ
そのとき、不思議なことが起こっていた
群衆のなかの彼は、すっかりそれに混ざってしまい
そのひとりひとりと見分けがつかなくなってしまっていたのである
確かにとても不思議なことではあった
そのことには誰も気づかなかったけれど
 
 
− Richard Bach, Illusions,1977, arr. by mockin_snofkin



この前の続きを書いてたら、なんか長くなっていって中断
じゃあ、コッチの方がいいかな、と
話は変わるけど、しゃーない
ゆーてもまぁ、気分次第で、なんですゎ
  
あいかわらず、ひとりで自由がとても愉快です
にしても、ずいぶん酷なことを言うのね、神様ってば
ダダ、ダダ、ダダ、ダダ、ダダ、ダダ、ダダ、ダダ、ダダ・・・・・
 
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by mockin_snofkin | 2006-03-18 08:44 | minima moralia